魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ドラゴンライダーお揃いのゴーグルをかけて目を保護し、前に乗るアンドリューの腰を支えて噴煙の中へと飛び込んだ。
息をするのもつらく、すぐ近くで雷が走り、ラスは身を縮ませてその光景になんとか耐えた。
雷だけは小さな頃から恐怖を克服することができず、いつもコハクから“チビは怖がりだなあ”と笑われ、コハクが一緒に眠ってくれたからこそ眠れた日々。
2年前まではこんな風に雷の中に飛び込んでゆくことなど想像もできなかった。
それもこれも、コハクと再び幸せな時を過ごすため。
これさえ乗り越えれば、コハクと一緒に人間界へと戻ることができるのだ。
「きゃあっ!」
すぐ横で雷が落ち、手に握りしめている雷避けの青い石が青白く光るとラスたちを包み込んだ。
石のおかげで雷の直撃は耐えたが、ラスの瞳からは絶えず涙が溢れ出て、ゴーグルを外すとアンドリューの背中に抱き着いて背中を濡らした。
「ラス、見えてきたよ!」
「ほ、ほんとっ?早く…早く…!」
「ぎゃああああーっ」
ドラゴンが大きく咆哮し、黄色いドラゴンを駆ってすぐ隣を飛んでいた長老が前方を指した。
「あれがサラマンダーの城です。彼はひとりを好むから城には誰も居ないはずですが用心して下さい!」
火山の中腹…断崖絶壁にその城は存在した。
入り口に通じる中庭には2mほどの赤い蜥蜴がうようよしていたが、ラスを乗せた黒いドラゴンが舞い降りると蜘蛛の子を散らすように逃げて行き、息を吐いた。
「ここが…サラマンダーさんの城?」
「早く中に入ろう。暑くて焼け死んじゃいそうだよ」
ラスは寒暖を防ぐローブを着ているので影響はさほどないものの、アンドリューはドラゴンライダーから借りた簡素な鎧を着ているだけだ。
ローブの中のウサギたちも話しかけてはこないものの小さな生き物なので様子が気になり、一刻も早くサラマンダーの城へと入って件の石を取ってこようと思い、中へと踏み込んだ。
「わあ…中も暑いね…」
そして城の外は相変わらず雷鳴が轟き、ラスの身体の震えは止まらない。
その時…アンドリューがラスの手を引いた。
「行こう」
力強く。
息をするのもつらく、すぐ近くで雷が走り、ラスは身を縮ませてその光景になんとか耐えた。
雷だけは小さな頃から恐怖を克服することができず、いつもコハクから“チビは怖がりだなあ”と笑われ、コハクが一緒に眠ってくれたからこそ眠れた日々。
2年前まではこんな風に雷の中に飛び込んでゆくことなど想像もできなかった。
それもこれも、コハクと再び幸せな時を過ごすため。
これさえ乗り越えれば、コハクと一緒に人間界へと戻ることができるのだ。
「きゃあっ!」
すぐ横で雷が落ち、手に握りしめている雷避けの青い石が青白く光るとラスたちを包み込んだ。
石のおかげで雷の直撃は耐えたが、ラスの瞳からは絶えず涙が溢れ出て、ゴーグルを外すとアンドリューの背中に抱き着いて背中を濡らした。
「ラス、見えてきたよ!」
「ほ、ほんとっ?早く…早く…!」
「ぎゃああああーっ」
ドラゴンが大きく咆哮し、黄色いドラゴンを駆ってすぐ隣を飛んでいた長老が前方を指した。
「あれがサラマンダーの城です。彼はひとりを好むから城には誰も居ないはずですが用心して下さい!」
火山の中腹…断崖絶壁にその城は存在した。
入り口に通じる中庭には2mほどの赤い蜥蜴がうようよしていたが、ラスを乗せた黒いドラゴンが舞い降りると蜘蛛の子を散らすように逃げて行き、息を吐いた。
「ここが…サラマンダーさんの城?」
「早く中に入ろう。暑くて焼け死んじゃいそうだよ」
ラスは寒暖を防ぐローブを着ているので影響はさほどないものの、アンドリューはドラゴンライダーから借りた簡素な鎧を着ているだけだ。
ローブの中のウサギたちも話しかけてはこないものの小さな生き物なので様子が気になり、一刻も早くサラマンダーの城へと入って件の石を取ってこようと思い、中へと踏み込んだ。
「わあ…中も暑いね…」
そして城の外は相変わらず雷鳴が轟き、ラスの身体の震えは止まらない。
その時…アンドリューがラスの手を引いた。
「行こう」
力強く。