魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
外に出た途端ラスがとうとう気絶して倒れ込み、アンドリューはなけなしの力を振り絞ってラスを抱きかかえると心配そうに小さく鳴くドラゴンの背に乗せてもたれかかった。
「そうだ…ウサギと…リスと…インコ…」
なるべく肌を見ないように気を付けながらローブを捲り、ラスがずっと心配していたウサギたちをショルダーバッグから出すと、やはりぐったりしていて、ラスのポットを拝借して金色の液体を呑ませるとようやく目を覚ました。
「早くここから離れよう。お嬢さんのことも心配だ」
「四精霊のいる城へ。わかるか?」
首をよじって鼻先でラスを突いていたドラゴンに問いかけると翼を広げたので、アンドリューが急いで背に乗り込みながらラスの頭にフードを被せた。
「全速力で!」
「私もついて行こう。四精霊の城なら私もわかる」
長老がそう申し出てくれたので、なるべくラスの身体にこれ以上のダメージが重ならないように気を付けながら腰を支えて飛び立つと、雷が絶えず鳴り響く中をものすごい速さで走り抜けた。
「ラス、もうすぐあの黒い男に会えるからね!」
励まし続け、景色があっという間に流れていき、落ちないようにラスに覆い被さるようにして風から守ってやっていると…突然風が止んだ。
「…?」
「お帰りなさい、おチビさん」
空中でホバリングをしているドラゴンの鼻先をちょんと突いたのは、シルフィードだ。
緑の長い髪をなびかせ、ドラゴンの背からラスを受け取ると先に地上に下り、そこで心配そうな表情で見上げていたコハクの腕にラスを抱かせた。
「おチビさんにしちゃ大冒険だったわね」
「ったりめえだ。チビは王女なんだぞ。こんなくたくたになって…。チビ、俺のために…ごめんな」
――よく見たら脚にもまめがたくさんできている。
いくつかは潰れていて出血し、相変わらず泣き言ひとつ言わずに我慢し続けたラスの瞼にキスをすると、怖ず怖ずと前に立ったアンドリューに口角を上げて小さく笑いかけた。
「チビのこと、ありがとな」
「いや、こっちこそ…。ゆっくり休ませてやってほしい」
「任せとけ。お前もよく休めよ」
魔王、珍しく親切心。
「そうだ…ウサギと…リスと…インコ…」
なるべく肌を見ないように気を付けながらローブを捲り、ラスがずっと心配していたウサギたちをショルダーバッグから出すと、やはりぐったりしていて、ラスのポットを拝借して金色の液体を呑ませるとようやく目を覚ました。
「早くここから離れよう。お嬢さんのことも心配だ」
「四精霊のいる城へ。わかるか?」
首をよじって鼻先でラスを突いていたドラゴンに問いかけると翼を広げたので、アンドリューが急いで背に乗り込みながらラスの頭にフードを被せた。
「全速力で!」
「私もついて行こう。四精霊の城なら私もわかる」
長老がそう申し出てくれたので、なるべくラスの身体にこれ以上のダメージが重ならないように気を付けながら腰を支えて飛び立つと、雷が絶えず鳴り響く中をものすごい速さで走り抜けた。
「ラス、もうすぐあの黒い男に会えるからね!」
励まし続け、景色があっという間に流れていき、落ちないようにラスに覆い被さるようにして風から守ってやっていると…突然風が止んだ。
「…?」
「お帰りなさい、おチビさん」
空中でホバリングをしているドラゴンの鼻先をちょんと突いたのは、シルフィードだ。
緑の長い髪をなびかせ、ドラゴンの背からラスを受け取ると先に地上に下り、そこで心配そうな表情で見上げていたコハクの腕にラスを抱かせた。
「おチビさんにしちゃ大冒険だったわね」
「ったりめえだ。チビは王女なんだぞ。こんなくたくたになって…。チビ、俺のために…ごめんな」
――よく見たら脚にもまめがたくさんできている。
いくつかは潰れていて出血し、相変わらず泣き言ひとつ言わずに我慢し続けたラスの瞼にキスをすると、怖ず怖ずと前に立ったアンドリューに口角を上げて小さく笑いかけた。
「チビのこと、ありがとな」
「いや、こっちこそ…。ゆっくり休ませてやってほしい」
「任せとけ。お前もよく休めよ」
魔王、珍しく親切心。