魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ラスをベッドに座らせると、コハクは宣言通りラスの両脚にできたまめに舌を這わせ、治療するふりをした。


「コー、くすぐったいよ!」


「こらーチビ、じっとしてろって。じゃないと逸れてとんでもねえとこぺろぺろするぞー!」


「?きゃーっ、指の股がくすぐったいよっ」


治療するふりをしながら治癒の魔法で脚にできたまめを治し、好き勝手ぺろぺろしていると、ラスがむずむず脚を動かしながらアンドリューたちのことを気にした。


「みんなどこに居るのかなあ?お礼を言いたいんだけど…」


「ドラゴンは庭で、ウサギたちとヒキガエルは別室で休んでる。チビも疲れたろ、今日は寝ろって」


「うん。コー、私の大冒険のお話聴きたい?聴きたいでしょ?」


有無を言わさずにコハクの手を引っ張ってベッドの上に引きずり込むと隣に寝転び、よく出た喉仏を触ってきた上目遣いのラスに、魔王…萌えMAX。


「ああ、聴いてやるよ。チビの大冒険かー、どんなだった?」


「あのね、最初にドラゴンライダーさんたちの村に行ったらね、真っ黒いドラゴンが暴れてたの」


「うんうん、それで?」


「でね、えっと、ドラゴンが暴れてて、こっちに突進してきて、そしたらこれが光ったの。そしたら暴れなくなったの。それでねっ」


「ふんふん、なるほど」


口下手なラスが必死になってラスにとっては大冒険の旅の内容を説明し、コハクは要所要所相槌を打ってラスの気分を盛り上げながら腰を抱いて引き寄せると脚を絡めてべったりくっついた。


「口の中に動物の骨が刺さってたの。それを抜いたら大人しくなってね、お風呂に入ってる時も見張ってくれたの。それで…えっと…なんだっけ…」


「落ち着いて話せって。そんで?」


2人で頬杖をつきながら1本のワインボトルを回し飲みして、ゆっくりとした時間が流れ、コハクがいつもこうして話を聞いてくれることが懐かしくて嬉しくて、ラスは途中で冒険談を話すのをやめた。


「チビ?続きは?」


「めんどくさいからもういいや。それにいつでも話せるから」


「チビは相変わらずものぐさだなあ」


赤と緑の瞳が交わり、抱き合いながら笑い声を漏らした。
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