魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「コー、なんかあたってる」


朝になるまでラスを強く胸に抱き込んでがんじがらめにしていた魔王は苦しそうな声を上げたラスの声で目覚めた。


「んあ…?あー、朝か…。おはよチビ。何があたってるって?あーこれか。これは仕方ねえよ、朝の…」


「もう起きてる?外の黒いドラゴンがうるさいんだけど」


いいところでシルフィードが部屋に入って来ると、ラスが早速身体に絡まったコハクの腕を解き、起き上がった。


「おはようおチビさん。疲れは取れたかしら?」


「はいっ。あのね、サラマンダーさんの石を取ってきたの。これ…」


「いいのいいの、ちょっと様子を見に来ただけだから。じゃあまた後で皆を連れてくるわね」


外からはどすんどすんと大地を揺るがす音が聞こえ、我が儘気質の王女はベッドサイドに腰かけるとコハクに細い脚を差し出した。


「コー、靴」


「はいはい女王様」


「違うもん、王女だもん。あ、でももう王女じゃなくなるね。やっとコーのお嫁さんになれるんだから」


ラスの前にひざまずいて、その細い脚によく似合う白いハイヒールを履かせるとさっさと抱っこしてラスが耳を引っ張った。


「歩けないよコー。下ろしてっ」


「だめー。チビが俺の嫁さんになるのは当然だけど、チビが勝手にどっか行ったりすんのは駄目!目ぇ離すとすぐどっか行っちまうんだから」


お尻をなでなでし、頬ずりしながらバルコニーからベランダに出ると…そこにはドラゴンが行ったり来たりを繰り返していて、目が合うと威嚇するように大きな翼を広げた。


「コー、このドラゴンがここまで運んでくれたんだよ。…?コー、またなんかあたってる」


「いや、だって…この眺めって絶景すぎる!」


ラスを姫抱っこして白いベンチに座ったコハクからは、よく育ったラスの胸の谷間が見えていて、大コーフン。


さらにべたべたラスを触りまくっていると…



『この色ぼけが。オレのベイビィちゃんに触るんじゃねえ』



…どこからともなく声が聴こえ、魔王は赤い瞳を細めてドラゴンを睨みつけた。


「コー?どうしたの?」


睨み合うドラゴンとコハクにラスがひとりだけ、きょとん。
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