Re:alism
…え…あれ?


私…今何言った?!


「…美?」


「やっ…あの…何かちょっと心細くて…えっと…」



心なしか自分の口から出た言葉に私自身驚いた


「…じゃあ俺ン家来る?」


「えっ」


「茶くらいなら出せるから」



本当は家はすぐそこなんだけど


「…はい」


もう少し、誰かが隣にいてほしいと思った



───祝詞さんの家に向かい歩く道中に、お母さんに帰りが遅くなる、とメールをしておいた



数分後、着いたのは普段私があまり来ない通りにある一棟の高層アパート


家から駅までの道とは逆方向だが、家からは少し近いのかもしれない


前からアパートで一人暮らししてるとは聞いていたから、“ここなんだ”という印象だ



階段を上り一番奥の部屋


「入ってー」


「…お邪魔しまーす…」



電気をつけると意外に室内は片付いていた


「…A型ですか?」


「?ううんAB…あぁ、俺綺麗好きなの」


「…プ。───あっテレビ!ちょっとテレビ視てもいいですか?!」



壁に掛かっている時計を見て、好きな番組がやっていることを思い出した


「いいよ」


ピッ


「…あっこれ面白いよねー俺も前まで視てた」


「前まで…?今は視てないんですか?」


「んー最近仕事とかぶって中々ね…たまに会社で視るけどさ」


「仕事中に駄目ですよ───てか今日残業…ですよね?何か帰って来てますけど…?」


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