Re:alism
祝詞さんより先に栃村に触れられた私


そんな自分を見せたくない



────きっと罪悪感と同時に、自分自身に軽蔑してしまうだろう



私は両手で肩を押し、互いの距離を作った


「美…ごめんっ何か俺先走り過ぎた」



そんな私を責めることなく、はにかみ頭を掻いた



「違うんですっ…その…ずっと前にさっきの奴に───襲われ…て…」


「は?襲われたって…」


「無理矢理…その時酔ってて私は記憶ないんですけど本人が言ってて…だから────私汚れてるんです…っ」



高鳴る鼓動


本音を言った…のはいいけど、反応を見るのが恐くて目を瞑っていた



しばらくしてから祝詞さんの低い声を聴いた


「…もう無理」



そして、私の肩を持ち立ち上がらせた


「やっぱりぶん殴る…あいつ」


「え…えっ?!何言っ…」


「今から行く。あいつン家どこか教えて」



またあの恐い顔になっていた



「今から…って唐突過ぎだし、そんなそこまでしなくても───」


「する!美をここまで苦しめて…てか手まで出してたとかマジふざけンなっての!!それに───」


「…それに?」



「…俺が最初を奪いたかった。」



「なっ…///」



一気に顔が熱った



「…てか私栃村の家知らないから…」


「そうなの?!───あいつ栃村って言うのか。まぁ調べりゃすぐ分かるからいっか」


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