約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く



「山崎さん、
 ここは何処なんですか?」


「何処って、
 文京二年の京」




文京二年?



えぇーっと何時代だった?





でも……現代じゃないことだけは
確かだよね。




「それでは山崎さん。
 
 いろいろとお世話になりました。

 ごきげんよう」



にっこりと笑って
その場を歩いていく。



「んで、お前……そのまんま、
 どこ行くの?」



気が付くと私の目の前に音もなく着地して、
真っ直ぐに見据えたまま声を発する。




えっ?



今……着地音なかった。



それに……この身のこなし。




さっきの屋根の上での
戦闘にしても……強い……。




「決まってません。

 どこに行くかなんて
 わかりません。

 でも……行かなきゃいけないんです。

 友達が二人、
 私を探してくれてるはずだから」





そう。



舞も瑠花も、
ちゃんと見つけなきゃ。



ちゃんと見つけて、
三人で……この世界から帰る道
見つけるんだから。





「夜の京は物騒なんや。

 女の子一人で人探しなんか
 するもんちゃうで」

「でも……」

「わかったわかった。
 
 子猫、拾たんオレやから、
 責任もって面倒みたるわ。

 花桜の友達、探すんも、
 手伝う(てつどう)たる。

 だから、そんな思いつめた顔しなや。

 可愛い顔してんのに、そんな顔しとったら
 だいなしや」



山崎さんはそう言うと私に笑いかけた。



それと同時に、手刀が入って
鈍い痛みと共に私は意識を失った。
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