約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く






目が覚めたら、
また……見知らぬ部屋に居た。



目の前に広がる天井。




「舞さん、気が付きましたか?」






私が眠る隣には義助さんが座っていて、
桶の中の水に手ぬぐいを浸して絞り、
私のおでこへともう一度戻した。



そして眠る布団の逆側、
晋作さんが壁に持たれるようにして
じっと見つめながら座ってた。




「馬鹿がっ。
 無理してどうする?」



えっ?



「晋作は、舞さんが旅の疲れで倒れて以来
 心配してたんですよ。

 それは私も同じですけど」



旅の疲れで倒れた。 





この言葉がずっしりと
重くのしかかる。





迷惑をかけないって
そう言って、長州から江戸へ。
江戸から、御殿場へ。



ずっとついてきたのに私、
迷惑かけてばかりだよ。





「どうした?
 どこか痛いのか?」




何も出来ない自分が悔しくて
涙が出てるくる。




どうして、
記憶がないのよ。


どうして、
何も思い出せないのよ。





舞って名前も晋作さんが
つけてくれた名前。 




私は……誰なの?

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