約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く


「てめぇっ」



花桜さんが言い放った言葉に対して、
周囲がどよめき立つ。


そして土方さんと呼ばれた人が何かを言いかけた時、
芹沢さんの鉄扇が彼の顎先を捕えた。



「歳、それまでだ。

 芹沢先生も、その鉄扇をどうぞ納めてください」


「山波くん、君も君ですよ。

 このような場で紡ぐべき言葉ではないでしょう。
 今は任務中ですよ」



穏やかな口調で厳しい言葉を降らせる人。


「近藤さん、山南さん、すいませんでした。

 でも許せなかったんです。
 土方さんのことが。
 
 ずっと私の大切な人を疑ってばっかりで。
 私のことも、受け入れてくれなくて。

 だから……一度、ガツンと言いたかったんです。
 私の祖父が言ってた大切な言葉だから」


「そうだな。
 確かに……山波君の言葉も今の歳には必要かも知れないな。

 まずは味方を信じる。
 味方を信じて、己を信じて道を信じる。

 いいなっ、歳。
 まずは味方を信じるんだぞ。

 加賀くんだったか。
 山波くんの大切な友達だ。

 仲間が信じてる君だ。
 私も信じよう。

 それでいいか?山波くん」



そう言い切った、近藤さんと呼ばれた存在は
器の大きさを少し感じさせた。



「あぁ、愉快。愉快。
 気に入った、山波花桜。

 土方や近藤に愛想をつかしたら何時でも俺のところに来い」


芹沢さんなんて上機嫌に宣言して……。


そんな芹沢さんをただ睨みながら、
何か言い返す言葉を探してる印象の花桜さん。



ふと、音もなく姿を見せた黒い忍び服の存在。


「副長」



そう告げると土方さんの傍に歩みを寄せて
耳元で何かを紡ぐ。


そしてその人はそのまま……
花桜さんの方へと近づいていく。




「お帰りなさい。
 山崎さん」

「あぁ、花桜ちゃん。
 
 終わったらまた街にでかけよか。
 今度は糠袋【ぬかぶくろ】でもつこうてみるか?」

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