華麗なる偽装結婚
………それは……誰に対してでも?
私だから、じゃないわよね…。
…やだ、私ったら。
当たり前じゃない……。
嘘の結婚に、嘘のプロポーズ。
それに嘘のキス。
何もかもが偽物の今の状況。
そんなものに心ときめいて自惚れて、やめようとして。
彼ははっきり言ったわ。
これは仕事だと。
私を女性としては見ていないと。
バカな私。
私がこの役を降りても代わりはいくらでもいる。
軽蔑している、と社長に告げても傷付ける事すら出来ない。
顔を殴りつけてもただの自己満足で、辞めたいと言う前にクビになるだけ。
分かっていたのに。
引き止められるような気がしていたなんて。