華麗なる偽装結婚



――「やあ、怜。
元気にしておったか。
会社はどうだ。
噂は耳に入っておるぞ。
なかなかの業績を上げておるではないか。

文彦が元気になったらきっと喜ぶぞ」

…………タヌキじじいめ。

ぬけぬけと。
お前が父さんを床に張り付けたようなものだろうが。


「…おじい様。お久しぶりです。
お陰様で何とかやらせていただいてます。

お元気そうで安心しました。
お誕生日、おめでとうございます」


俺は爽やかな笑顔と共にじいさんに深く頭を下げた。


――今日はじいさんの誕生パーティー。

俺は阿美子を伴いこの場へとやって来た。
全ては会社を守るため。
一族が揃う今日の日に阿美子の存在を知らしめて全てを手放さずに済むのならば……。



「ああ、よいよい。
顔を上げろ。

お前に会わせたい人がおるでな。
今日を楽しみにしておったのだ」


…………早速…、来たな…?





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