華麗なる偽装結婚
しかも、一族の中で最も恐れられている家長であるじいさんを、あんな表情にさせている。
…………。
何もかもが信じられない……。
「怜兄さん」
踊る二人を黙って眺めていた俺をふと呼ぶ声に振り返る。
「陸。
……この前もありがとう。
阿美子もすっかりオリンズのサロンが気に入ったみたいだよ。
また行きたいって言ってた」
「そうなの?嬉しいな。
いつでも歓迎するよ。
しかし、…驚いたね。
あのじいさんが、まるで嬉しそうだ」
陸も踊る二人を見て言った。
「ああ。
まさかあんなに気に入ってくれるとはね。
俺も驚いてるよ」