華麗なる偽装結婚
不覚にも……見惚れてしまった。
ポーッとする私に、左側のおじさんが言う。
「稲田さん。
ぼんやり社長を見ていないで、質問に答えなさい」
…ハッ。(再び)
「あ、…あ、すみません」
「高木常務。
いいんだよ。緊張するよね?
ゆっくりでいいから。
ね、稲田さん。
どうして秘書になりたいの?」
い、い…、いやあああ…。
私ったら…。
はっ…恥ずかしい…。
「あっ…あの…、自分を試したい、と言うか。
私、資格を色々持ってますから、実際に役に立つかどうかな、って…」
「うん、確かに。
素晴らしいね。
ここまですごい履歴書を今日は初めて見たよ」