愛を教えて
「さ、お見せくださいな、皐月様。何も問題はないのでしょう? ねぇ、卓巳さん」


「……おばあ様」


卓巳は掠れた声で祖母を呼んだ。


「よろしいですよ。ご覧なさい」



報告書が叔母たちの手に渡った瞬間――卓巳は目を閉じる。

万里子の手を、それまで以上に力いっぱい握り締めた。

そして彼女の指にも力が加わり……。

ふたりは引き離されまいと、きつく手を繋いだ。



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