愛を教えて
「『成田空港における国際線年間発着回数増枠に関する懸念ならびに取り組み課題』ですわ。土地開発と観光開発両部門の担当者から出されたものです」
もたもたする万里子の頭上に、朝美の手が伸びた。
彼女は最初から知っていたかのように、戸棚の最上段からスッと薄い緑の封筒を引き抜く。
「社長は、会議前の書類はいつもこちらに保管されるんです。ご自宅に持ち帰られるのは重要書類ではありませんので」
朝美は文字どおり、上から目線だった。
「見つかってよかったです。それでは」
「私も六年前に入社したんです。社長が会社に入られた同じ年に……」
朝美を伴い書斎から出ようとした万里子に、彼女は話しかけた。
「そうですか。でも、会議に使うなら急がれたほうが」
「国内だけでなく、海外の出張にも同行しました。社長がどちらに行かれるときでも、私がお供させていただきました」
もたもたする万里子の頭上に、朝美の手が伸びた。
彼女は最初から知っていたかのように、戸棚の最上段からスッと薄い緑の封筒を引き抜く。
「社長は、会議前の書類はいつもこちらに保管されるんです。ご自宅に持ち帰られるのは重要書類ではありませんので」
朝美は文字どおり、上から目線だった。
「見つかってよかったです。それでは」
「私も六年前に入社したんです。社長が会社に入られた同じ年に……」
朝美を伴い書斎から出ようとした万里子に、彼女は話しかけた。
「そうですか。でも、会議に使うなら急がれたほうが」
「国内だけでなく、海外の出張にも同行しました。社長がどちらに行かれるときでも、私がお供させていただきました」