愛を教えて
「まあ! じゃあわざわざ飛行機をチャーターしたんですか?」


万里子が驚くのも無理はない。

朝には問題なく飛行機は飛び立つのだ。
いくらイブでも、新妻に会うためだけに飛行機をチャーターする人間は少ないだろう。
北海道からなら数千万円はかかったはずだ。


「でも、発着時間が規制されるんじゃ……」

「ああ、成田空港はね。だが、新千歳空港と羽田空港なら二十四時間発着可能なんだ」


卓巳は簡単に言うが、事前に飛行計画など提出し、許可を取らなくてよいものだろうか?

それを万里子が質問すると、卓巳は微妙にはぐらかした。


ふたりは今、イルミネーションの真下のベンチに座っている。

さっき万里子がひとりで座っていた場所だ。でも、ふたりだと気持ちはまるで違う。
長いマフラーをふたりで一緒に巻いているせいかもしれない。


「万里子……クリスマスに話そうと思っていたことがある」


卓巳は改まった口調で切り出した。


< 477 / 927 >

この作品をシェア

pagetop