愛を教えて
万里子の心配をよそに、卓巳は歓喜に震えていた。


「君は、これまでも感じてたのか? こんなふうになっていたのか? 正直に言うんだ。いや、言ってくれ。頼む」


万里子は言葉では答えず、うなずきながら謝った。


「ごめんなさい。お願い……嫌いに……ならないで」


ふたつの瞳に涙を浮かべて、消え入りそうな声だ。

彼女を苦しめているのかと思い、卓巳は慌てて飛びのきそうになる。


「何を言ってるんだ。嫌いになる訳がない。嬉しいよ、君がこんなに悦んでくれてるなんて……知らなかった。最高に嬉しい」


自分にも女性を悦ばせることができる。

それは卓巳の心に自信を復活させた。我ながらなんと単純なものだろう、と苦笑する。その勢いを借りて、卓巳は万里子の脚の間に身体を添わせた。


「万里子、いやなら言ってくれ」 

「今日は、なんでも平気。卓巳さんの望むままに……」


薄いレース越しでは感じ得なかった秘密の園は、卓巳を柔らかく包み込む。それはまるでフォンデュの中に浸したような感覚だ。奥まで分け入ることはできなくても、その心地よさは言葉では表し難い。


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