愛を教えて
万里子の反応に、卓巳の欲情は上昇の一途だ。


「あ……卓巳さん」


万里子の声には、ほんの少しだけ抗議の響きがあった。しかしそれ以上に、ごく自然な悦びの声が漏れるのを、彼女は抑え切れない。

それは、卓巳の自信に直結した。


「万里子……いいかい?」


荒い息を繰り返しながら万里子は無言でうなずいた。卓巳は確かな力を持って、万里子の中に滑り込む。


それは、まさしく――愛から生まれた“奇跡”だった。


心の離れたふたりには意味のない行為かもしれない。しかし、離れることが不可能なほど、心が寄り添うふたりにとって“ひとつになる”ことは、他では味わうことのできない幸福感を生んだ。


「卓巳さん……今、あなたと」

「ああ、ひとつだよ。辛くないかい?」


万里子の瞳が見る見るうちに潤み始める。それは、悲しみの涙ではなく、喜びに満ち溢れていた。

かつて、愛を邪魔した隙間は永遠に消え去り……。


この日、二万回に向けて、ふたりのカウンターは回り始める。


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