愛を教えて
それは検査の内容以上に、思いもよらない言葉だった。


いったい、何がどうしたというのだろう。考えられるとすれば、検査や治療の余地もないほど子宮の状態が悪いということか。

それとも、他の病気が見つかったとか。それには少し、万里子にも思い当たる節があった。

先月は生理の予定日が少し遅れ、しかもほんの少量しか出血がなかった。ロンドンの出来事もあり、皐月の入院も重なって、体調が狂っただけだと思っていた。

だが、もしそうでなければ……。

考えは悪い方向にばかり進む。


『今日……ですか?』


そこまで急ぐ必要があるのだろうか、と尋ねた万里子に、担当医は困ったような顔で答えた。


『ええ、そうですね。できるだけ早いほうが』

『あの、私だけ……先に聞くことはできませんか?』

『こういう問題は、ご夫婦一緒のほうがよろしいと思います。藤原社長からも、慎重に、と厳命されているので』



担当医の言葉が頭の中をグルグル回る。そのとき、万里子の目に自動販売機が映った。


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