碧いボール


  芦田Side
すげぇよ・・・!
あいつら、すげぇよ!!
あっと、失礼。
少々興奮気味でして。
理由はみなさんもご存知のはずなので、省略しますね。
選考委員から電話で報告を聞いたときはびっくりした。
杏は内定だったんだ。あ、ちなみに杏を名前で呼ぶのは自分のクラスの生徒だから。
と、話戻して・・・
杏はうまいからな。
相川にも負けてない。
それに反対して今日の相川はもうボロボロだったから・・・。
俺が言ったらダメなんだけど、無理だろうなあ、と、悪い報告を予想してたから。
「相川有希には未知の才能が眠っていると思われる」・・・つまりそれは選抜の場にいるにふさわしいってか。
本人はただ喜んでたから気づいてないだろうけど、ほぼ確定したようなもんじゃないか。
そこまでで俺の回想は途切れた。
電話の無駄に高い音が神経を刺激する。
鳴ったのは家電。
今時誰だ、携帯に電話しない奴は。
「もしもし、相川です」
噂をすれば、ってやつか。まあ、噂してたのも全部俺だけどな。
受話器の向こうの相川の声はひどく沈んでるようだった。
落ち込んでるというよりは、ショックと怒りで何もできないって感じか?
電話なんだから、話したいことが
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