俺様王子は運命の人。
「ヒロ・・・」
「ん?」
「あたし、もう独りは嫌・・・怖いの。」
ヒロって呼んでも驚かないヒロ。
それより、あたしの隣にきて手を握ってくれるヒロ。
「どうしてこんな家に生まれたんだろう・・・ただ普通の幸せがほしいだけなのに。」
「泣くなよ、俺がいるだろ?こんな近くに。」
「でも、でもっ・・・いずれ皆離れちゃう!!」
昔、こんな事があった。
中学生の時に付き合っていた男の子。
その男の子のお父さんも小さな建設会社をしていた。
あたしの父親が気に入らないの一言で
男の子のお父さんの会社は倒産。
男の子は娘のあたしに怒りの目を向けた。
そして、皆離れて行った。
親友も、友達も・・・皆。
その頃からかな?両親と深い溝ができ始めたのは・・・。
今は二人とも好き放題やってる。
お互いに愛人を作って、家には帰ってこない。
もう1、2年一緒にご飯食べていない。
全部全部ヒロに話した。
誰かに話すことは抵抗があったけど、
ヒロになら話せるって思ったし、信じられた。
「バカ野郎。ため込むんじゃねーよ。」