俺様王子は運命の人。
いつの間にか泣いていたあたし。
・・・ヒロも一緒に泣いていた。
「どうしてっ・・・ヒロが、泣くの・・・?」
「わかんねーよ、けど・・・」
ヒロはあたしを抱きしめた。
「お前から離れたくないって思った。」
「ヒロ・・・離れないで。お願い。」
「まゆ」
いきなり声がしてビックリした。
振り返るとそこには織乃と涼介。
「バカ!!なんで言ってくれなかったの?」
「・・・」
「黙ってないでなんか言ってよ・・・。あたしじゃ頼りないの?」
そんなことない。
織乃は高校に入って初めてできた友達。
「あたし達親友でしょ?」
織乃は涙を流しながら
あたしの小指と自分の小指を絡めた。
「カップルじゃないけど友達の赤い糸で結ばれてるんだよ!?」
「・・・何それっ」
やっと笑えた。