ケイヤク結婚
 まだ午前6時かあ。今日は仕事があるから、7時には起きて準備しないとだなあ。

 もう少しベッドの中でごろごろとしてよう……なんて考えていると、携帯が鳴った。

 こんな朝早くから誰だろう。

 携帯の画面を見ると、大輝さんからだった。

 私は布団から飛び出ると、正座してから携帯を耳にあてた。

「もしもしもし」

 あ……私、慌て過ぎ。

『もしもし』と言いたくて、『もし』を一回多く言ってしまった。

 恥ずかしい。

 私は誰も見ていないのに、カーっと頬が熱くなるのを感じた。

 きっと今の私の顔、真っ赤だ。

 初めての電話だっていうのに、もう…私ったら何をしているんだろう。

 馬鹿な女だって思われてる。
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