ケイヤク結婚
「幸ちゃんからメールでね。今、お兄ちゃんの仕事の手伝いをしてるんだって。今夜は帰れないかもって」

「大輝さんと同じ職場なの?」

「たまたまね。もともとはお兄ちゃんと幼馴染でさ。夕飯を届けて欲しいってヘルプメールが届いてるから。綾乃さんも一緒に行こ?」

「え? 私も……行っていいの? 怒られないかな」

「大丈夫。差し入れしないと、幸ちゃんが飢え死にしちゃう」

 バタンとロッカーを閉じた理沙ちゃんが、私の腕に絡みついた。

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