ケイヤク結婚
「あー、むかつくっ」

 理沙ちゃんが、明かりのついているドアを力強く開けながら、怒鳴った。

 中にいる男性たちが、一斉に手を止めてドアに視線を送る。

「なんであそこにあいつがいるのよ! 嫌な顔を見ちゃったじゃない」

「理沙? なんで仕事場に」

 一番奥の机に座っていた大輝さんが、驚きの声をあげるのが聞こえた。

「私だけじゃないよ~。実は……」

 理沙ちゃんが私の腕を掴もうとした瞬間、私は逆の腕を思い切り引っ張られた。

 口元を押さえられると、真っ暗な室内に引き摺り込まれた。

「ちょ……」

 大きな声を出そうとする私の口を、荒々しいキスで塞がれる。

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