君のための嘘
バッグが見つかり興奮しているせいか、なかなか眠れない。


夏帆は水を飲もうと部屋を出る。


もうラルフは寝たよね。もう二時をまわっているし。


コップを洗い、部屋に戻ろうと振り返るとラルフが立っていて夏帆は驚いて飛び上った。


「ラルフっ!ごめんなさい 起こしちゃった?」


「いや、僕も水を飲もうと……夏帆ちゃんは眠れないの?」


ふと、自分のパジャマ姿が気になる。


「も、もう寝ます おやすみなさいっ!」


「ああ オヤスミ 明日は起きてこなくていいからね?」


「い、いいえ」


それだけ言うと、何か言われないうちにそそくさと部屋に戻った。


私にもアルバイトがある。


ゆっくり眠ってなんていられない。


再びラルフに後ろめたさを感じながら眠りに落ちた。



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