君のための嘘
「僕からもあるんだ。あまり防寒具はないだろう?」


そう言ってラルフは部屋の隅にある数個の紙袋を持って夏帆の足元に置いた。


「こんなに?」


「ああ。一緒に買いに行ければ良かったんだけど、きっと君はいらないと言うだろう? だからクリスマスプレゼントとして受け取ってくれたら嬉しいよ」


紙袋の中にはブーツや暖かそうなダウンのコート、ファーの付いた手袋、ファーの帽子などが入っていた。


どれも質の良い品ものだと見て分かる。


「ありがとう。いつも優しくしてくれてありがとう」


感動で本当はラルフに抱きつきたいくらいだったが、そんな事は出来ない。


両手をギュっと握りしめてお礼を言った。


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