君のための嘘
新宿から乗ったロマンスカーは空いていた。


夏帆はラルフのプレゼントをすべて身に着けて暖かだった。


心の中までほっこりしてきて、睡眠不足の夏帆の瞼が自然と落ちてくる。


昨晩はラルフの事を考えてなかなか眠れなかった。


寝ないようにと背筋をしゃんとする夏帆にラルフは気づいた。


「眠い? 眠かったら眠ってていいんだよ?」


隣に座るラルフが言う。


「ん……」


「座席を少し倒すといい」


ラルフは後ろに誰も座っていないことを確かめてから、自分と夏帆の席を下げようと腕を伸ばした。


せっかくの旅行なのに眠ってしまったらもったいない……けれど、気持ちに反して瞼が落ちていく。


うとうとする頭をラルフの肩に引き寄せられたのを夏帆は知らずに眠りに落ちた。


< 225 / 521 >

この作品をシェア

pagetop