君のための嘘
夏帆は目を閉じながら聞こえそうなくらいにドキドキ高鳴る心臓を静めようとしていた。


静まれ、心臓っ!


そう心の中で言うけれど、いっこうにドキドキする心臓は静まらない。


と言うのも、たった今されたキスのせいだ。


ラルフが私の唇にキスをした……。


額ではなく、唇に……。


ラルフの指が唇に触れたんじゃないよね?


あれは絶対に唇……唇に吐息を感じた。


どうして?


ラルフは私が好きなの?


そう考えると、高鳴る胸は静まるどころか、更に暴れる。


ラルフに起きていた事がばれないように、夏帆は目を開けなかった。


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