君のための嘘
「いいえ、畑中が淹れます」


祖母がばっさりと言い切り、畑中の方を向き頷く。


畑中はキッチンの中へ入って行った。


「夏帆さん、身体の具合はどうなのかしら?」


祖母が畑中から夏帆に顔を向けて尋ねる。


その声は本当に心配しているように聞こえる。


「……」


「おばあ様、まだ調子悪いことが見てわかりませんか?社交辞令は止めて本題に入ってください」


きつい言葉だが、ラルフ特有の柔らかい語尾で相手はさほど嫌な気持ちにならない。


「ええ、そうだわね 夏帆さん、我が家へいらっしゃい ここにいるより手厚い看護を受けられるわ」


夏帆はあ然とした顔で祖母を見た。


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