君のための嘘
「送るよ」


コートと車のカギを手にしている。


「すぐ近くだからいい ラルフはまだでしょう?いいから食事に戻って」


夏帆は突き放すようにラルフを見る。


「……分かった 体調がおかしいと思ったら帰って来るんだよ」


ラルフの態度はどんなに夏帆が酷い態度を取っても変わらない。


優しくされるたびに夏帆の胸はきゅんと痛んだ。


「……はい」


夏帆は背を向けたまま返事をした。



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