君のための嘘
夏帆を受け止めきれず、押し倒される形でラルフの身体がベッドに沈む。


ラルフの両手はベッドに投げ出されて、覆いかぶさる夏帆を抱きしめようとしない。


「お願い……側に居させて……」


ラルフの肩に顔を埋めて夏帆は呟いた。


ラルフから喉から絞り出すような声。


「クッ……」


ラルフは一途な夏帆に降参した瞬間だった。


夏帆を愛しすぎて冷たい態度を続けていられない自分の弱さを呪う。


自分が弱くなれば、夏帆ちゃんを傷つけるのは間違いないのに。


もう自分からは手放せない所まで来ていた。



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