君のための嘘
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夏帆は祖母と一緒に暮らし始めた。


最初はぎこちなかったが、だんだんと一緒に居ることに慣れていった。


ニューヨーク州に無事に到着したラルフは、大学病院にそのまま入院し検査を受けた。


検査入院が終われば、大学病院近くのアパートメントで生活をする予定だ。


手術まで暇を持て余さないよう、霧生ホールディングス社のニューヨーク支店で、ラルフと侑弥は仕事をする。


毎日、夏帆とラルフはスカイプで話をする日々が続いた。


それでも、ラルフがいないせいで、夏帆の気持ちは不安定だった。


スカイプで話をする時は空元気になる。


ラルフも寂しい気持ちを振り払い、明るく話す。


時々、側で見ている祖母はいたたまれない気持ちになった。


夏帆は悪阻も治まらず、栄養のある美味しい料理も少し口にするだけだ。


祖母はそんな夏帆を心配している。


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