君のための嘘
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スカイプを切った夏帆は重いため息を吐いた。


ラルフは元気で、家族と引き離してしまっている侑弥に申し訳ないと言っていた。


早くラルフの元に行きたいのに……。


ラルフがアメリカに行ってもう2か月ちょっと経つ。


6月の終わり、夏帆は妊娠5ヶ月の終わりにかかり、胎動を感じられるようになっていた。


しかし、悪阻は治まることを知らず、夏帆を苦しめている。


こんな状態では渡米許可はドクターから下りない。


「ぁ……」


その時、お腹がポコっと動いた。


胎動だ。


「赤ちゃんもパパの所に行きたいよね……」


ラルフと話をした後は、明るい気分になるどころか、不安で哀しい気持ちになってしまう。


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