君のための嘘




「おんぎゃ――――」


分娩室に赤ちゃんの泣き声が響いた。


その声を聞いた夏帆は意識が遠のき、目の前が真っ暗になった。


ラルフの手を握っていた力がすーっと抜ける。


「夏帆ちゃん!?」


ラルフは意識を失った夏帆を慌てて呼ぶ。


「奥様は大丈夫です 長かったので、かなり疲れているんですよ」


ラルフは切なさがこもる瞳で、眠る夏帆を見つめた。


良く頑張ったね。


ありがとう、夏帆。


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