【十の瞳】
作業を得た後、僕達は浴場に行った。
体に移った腐敗臭や、じっとりとした『死』の汚れを、すぐに洗いおとさなければという気分になったからだった。
浴場は男湯と女湯に別れていた。
無造作に着替えの衣類を抱えて女湯に蝶子が消えた。
男湯は、思っていたほどの規模ではなかったにしろ、僕とファニーペインが入るには充分な広さだった。
えどがぁさんは、接触の危険や死体の移動を言い出した責任があるとの事で、一番風呂は辞退した。
張りっぱなしだったお湯は抜かずに、そのまま温めた。
シャワーだけでもいいかと思ったのだが、冷房で必要以上に冷やされた体は、熱い湯に浸かる事を欲していた。
備え付けのシャンプーとボディソープで髪と体を念入りに洗い、さっさと湯船に入る。