【十の瞳】
 


ハートの8だった。


8のカードが無いので、手札が一枚増えただけとなる。
 

十二愛がファニーペインのカードを引き、ペアを作ってテーブルのカードの山に重ねる。


ダイヤとスペードの4だった。
 

ファニーペインが僕のカードを引く。
 


途端に、彼の顔色が変わる。


ファニーペインは、ジョーカーを引いていったのだ。
 

結局、このゲームはこれをきっかけに、ファニーペインの負けとなった。
 


彼は運悪くババを所持し続け、先に十二愛と僕が上がってしまった。



「くっそ~……コロめ! 



まさかジョーカーを持ってあんな涼しい顔をしてやがるとは……!」
 

ファニーペインがギャーギャー騒ぎ始めた。


「ポーカーフェイスはトランプの基本だろ? 


何なら、ポーカーやる?」



「ルールが分からん。七並べしようぜ」


「はいはい」
 


カードが配られ、四枚の7だけを揃えてスタート。
 


テーブルを半分ほど占領して、どんどん数字を並べていく。




< 116 / 150 >

この作品をシェア

pagetop