【十の瞳】
ハートの8だった。
8のカードが無いので、手札が一枚増えただけとなる。
十二愛がファニーペインのカードを引き、ペアを作ってテーブルのカードの山に重ねる。
ダイヤとスペードの4だった。
ファニーペインが僕のカードを引く。
途端に、彼の顔色が変わる。
ファニーペインは、ジョーカーを引いていったのだ。
結局、このゲームはこれをきっかけに、ファニーペインの負けとなった。
彼は運悪くババを所持し続け、先に十二愛と僕が上がってしまった。
「くっそ~……コロめ!
まさかジョーカーを持ってあんな涼しい顔をしてやがるとは……!」
ファニーペインがギャーギャー騒ぎ始めた。
「ポーカーフェイスはトランプの基本だろ?
何なら、ポーカーやる?」
「ルールが分からん。七並べしようぜ」
「はいはい」
カードが配られ、四枚の7だけを揃えてスタート。
テーブルを半分ほど占領して、どんどん数字を並べていく。