【十の瞳】



ミステリーでは、お決まりの如く演出される密室だが、もし実際に起こったら厄介である。


ここに丁度、蝶子がひょっこりやって来た。


彼女はふらふら入室してくると、テーブルのコーヒーを見付け、


「あ、いいなー。


私にも頂戴」
 

と言うと、僕が手にしていたグラスを鮮やかに掠め取るや否や、


半分ほど残っていたコーヒーをぐいぐい飲みほしてしまった。


全員、唖然となる。
 

しかし、蝶子本人は気にしていないようで、何食わぬ顔で会議に参加してきた。
 

一応、ここまでの情報を彼女にも伝える。
 


話の間、彼女はずっと枝毛を探しながら、ふむふむと、軽い相槌を打っていた。


あまり真剣に聞いていないのかと不安になるが、


次に、えどがぁさんが蝶子のアリバイを確かめるべく簡単な質問をした際に、意外な事が発覚した。


< 64 / 150 >

この作品をシェア

pagetop