【十の瞳】



「それにしても……何で、平三郎が死んだのかしら」


「それが分かったら、苦労しないんじゃないすか?」


「はーい、彼と面識のあった人、挙手!」
 

ファニーペインのツッコミを無視して、蝶子は促した。
 

しかしもちろん、誰も手を上げない。


「……まあ、いたとしても、隠すだろうね」
 

えどがぁさんのもっともな意見に、蝶子以外が頷いた。


ふと、それとなくメンバーを観察してみると、八野が再びあの表情を見せていた。


昨日、モニターを見ていた時と、同じ――異様にギラついた眼差し。


でも、それがどこか嬉しそうに見えるのが、奇妙だった。


何やら、不謹慎めいた印象を受ける。


「あの、八野さん……どうして、笑ってるんですか?」
 

僕の問いと同時に、メンバーは一斉に彼女を見た。
 


すると八野は急に不機嫌そうに、「はぁ?」と惚ける。


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