【十の瞳】
「えっと、すいません……勘違いならいいんですけど、何か笑ってるように見えたんで……」
言い逃れするかと駄目元で……しかし念を押すように訊き直すと、
周囲の彼女への視線は、一層厳しいものになっていった。
それはそうだろう。
彼女が犯人とも限らないのだ。
皆、そう思ってるに違いない。
すると彼女は、疑われては堪らないと思ったのか、慌てて態度を変え、
『本物の謎解きが出来ると思った』と弁明して、一同を呆れさせた。
「いつも、いつも一歩ってところで、『名探偵』にはなれなかったのよ……でも、今は違うわ。
マスターはいないし、警察も来られない。
私達が、何とかしなくてはならないのだから……!」
本当は、『私が』と言いたかったのかもしれない。