【十の瞳】
ファニーペインは、炊き上がったご飯をしゃもじで混ぜながら、
「……えどがぁさん、かな」
ぽつりと言った。
「は?」
「頼りになんの。
こん中で、結局年長なのってあの人じゃん。
八野のババアがいくつだか知んねえけど……」
「失礼だよ……そんな言い方したら」
素直にも程がある。
これでは、いつ八野が雷を落としに現れるか、分かったものではない。
「でも、事実そうじゃん? 今んとこ。
どうせ、あんたも推理なんかしてないんだろ?」
「はは、それ言われちゃうとね……」
「八野はただのヒステリーだし、蝶子さんはフラフラしてるし、
キモオタはアニメだし、『名探偵』は引きこもってるし、
後はえどがぁさんしかいねーじゃん……」
ふと、彼が十二愛の事を名前で呼ばなかったのが気になった。