【十の瞳】



食後の片付けが済むと、えどがぁさんから、思わぬことを提案された。
 

平三郎の死体を別の場所に運ばないか、というのである。
 

現場の保存よりも、先が見えない今、死体の傍で寝起きする事に耐えられなくなってしまったらしい。
 

もっとも、彼の死体があるのは、僕と蝶子の間の部屋ではあるが。
 

僕とファニーペインは、二つ返事で引き受けた。
 

もちろん、八野は大反対で、「絶対に嫌!」との事だった。
 

グースも、首をぶるぶる横に振り、拒否した。


ちなみに十二愛はこの場にいなかった。


いたとしても、決して参加はしないだろうが……。


今回、彼女は自室で食事を摂った。


十二愛は今日は、薄紫色のドレスを着ていた。


毎日、可愛らしい格好をしているのに、人前に出ないのは勿体ないと思うが、


彼女がこれで納得しているなら、僕は逆らわない。




「私、やる」
 

意外にも、蝶子が手を挙げた。


「どこに運べばいいの?」


「え、ああ……その事なんだが」
 

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