【十の瞳】




僕達は、ほっと胸を撫で下ろす。
 

だが、予定の部屋のベッドに死体の袋を置いた時に、異変が起こった。
 

僕は、ふとした拍子に、えどがぁさんにぶつかってしまった。
 

ただそれだけだったのだが――彼は、大声を上げて僕を振り払い、壁まで後ずさったのだった。

 

突き飛ばされて、尻もちをついた僕が、何が起こったのか理解できずにポカンとしていると、


彼はとんでもない事をしてしまった……! という後悔を顔に滲ませて、



「すまない、コロ君! 


これにはどうしても、理由があるんだ……!」
 




頭を下げるえどがぁさんに、魔手が忍び寄る。
 

思案顔の、蝶子だった。


蝶子はそろりそろりと忍び足で、両手を頭の高さまで持ち上げ、えどがぁさんに近付こうとしていた。


しかし、えどがぁさんは、蝶子の指が肩に触れる寸前に、機敏な動きで横に逃げた。



 
彼の様子は、明らかに変だった。
 

でも僕は、昨日の疑問の答えを見付けたような気がした。


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