リアル




「ブログ投稿サイト? ごめんなさい、私、若くないからそういうのに疎いのよ」


薫は手をひらひらとさせて苦笑いをした。


この答え方が一番自然なはずだ。


薫のような年齢の女性が美緒のサイトの名前を知っているのは不自然極まりない。


「リアルサイト、というものなんですけど……」


「それってさ」


美緒の話に口を挟んだのは隆だった。


いいところで、段取りと違うことを。


薫は美緒に見えないように隆を小さく睨んだ。


折角話が聞けそうなところで何故それを遮ったりするのだ。


「何で男は駄目なわけ?」


隆がした質問の意味が薫には分からなかった。


「あ……もしかして夕べの雪穂さん、て」


「そ、俺」


隆はだらしない姿勢でこくんと頷いた。


「もしかして、とは思ったんですが、伺いづらくて」


美緒は微かに眉を下げた。



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