リアル




隆は予想通り無邪気で、屈託のない青年だった。


だが、その人生を奪った人間がいる。


薫はそう考え、腹の中で溜め息をついた。


「ありゃ、男連れ込んでるよ」


ぎい、と扉が開く音と共に、生野が声を上げた。


「悪い?」


生野がノックをしないで部屋に入ってくるのは今に始まったことではないので、薫は特に注意もしなかった。


「悪かないけど、若すぎやしないか?」


生野は椅子に座った隆をじろじろと見ながら言った。


「真瀬隆です」


隆は小さな声で名乗り、また無表情な青年へと変貌を遂げた。


隆の過去について話すべきかどうか迷っていると、隆自ら、生野に自分の残酷な過去を話し始めた。


そして最後に、だから事件について知りたい、と言った。


生野は隆が話している間ずっと黙り、煙草を一本吸った。


薫は煙草は吸わないのだが、生野が訪れた時の為に灰皿を用意しているのだ。


「成る程ね」


隆が話し終えると、生野は二本目の煙草に火を点けながら口を開いた。




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