リアル



それ以上に特に気になる点はない。


というより、情報がまだ少ないのだ。


これだけで名推理を出来る者など、三流推理小説の主人公くらいだろう。


名前と年齢、職業そして死因。死体が放置された場所。


関連性を見付けるのは簡単だが、犯人像は見えてこない。


現役時代にもっとプロファイリングの勉強をしておくべきだったか。


薫はチラシに視線を落としながらそんなことを考えた。


「何か見えてきたか?」


隆の言葉に薫は首を横に振った。


生野から新しい情報はまだ入ってきていない。


「今日仕事は?」


薫が尋ねると隆は、ない、と短く答えた。


「現場、行ってみましょうか」


薫は不意に思い付いたことを口にした。


現場に足を運ぶ。


これは現役時代は当たり前のことだった。


現場百遍。そんな言葉がある通り、何度も現場を調べる。


それが捜査のセオリーなのだ。



.
< 63 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop