∮ファースト・ラブ∮
「手鞠……気持ち悪いよ?
何があったの?」
おい。
あいちゃん、今さらりと傷つくことを言ってくれたね。
いつもなら頭ゲンコツの刑に処するわけだけども、
でも、まあ、今日のところは許してあげよう。
なんたって、先輩とカレカノの仲になったんだもんね。
ぐしし。
「手鞠ちゃん……ほんとに気持ち悪い……」
「そんな気持ち悪い連呼したら……あたしが浮かれている理由、教えないよ?」
「そんな……お教えくださいお代官様~。
わたくしが悪うございました~」
あいちゃんは、ノリがいい。
腕を組むあたしに、今度はあいちゃんが机に両手を置いてお辞儀する。
これはいつもの光景だ。
あたしとあいちゃんは、こうやって遊んでいるの。