∮ファースト・ラブ∮
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Side:
.+*麻生 久遠*+.
.+*Kuon asou*+.
「睦…………。
なぜ、ぼくの過去を話したんだ?」
ぼくは手鞠ちゃんの姿がなくなった直後に話を再開させた。
「やっぱ、聞かれてたか……」
睦は頭をかいてうな垂れる。
「どこから聞いていた?」
「はじめから。
ここに来る睦と手鞠ちゃんの姿が見えたから追ってきた……」
そこまで言って、ぼくは口を閉ざした。
続きを…………言いたくなかったんだ。
睦が手鞠ちゃんを連れてどこかに行くなんて。
しかも、ぼくの知らないところで、だ。
なぜ、そう思うのか。
それは……多分、もうわかっている。
ぼくは……手鞠ちゃんに興味を抱いている。
それは、はじめて告白してきた時からだ。
一生懸命お辞儀をして、手紙を持つ手が小刻みに振るえていた姿は、忘れられない。
とてもかわいらしい姿だった。