∮ファースト・ラブ∮
「あたしの久遠に近づいてきた彼女。
許せないのよね。
ま、あたしが少し痛い目にあわせるわ」
なっ!!
「紀美子!!
お前!!」
紀美子の言葉に、ぞくりと背筋が凍る。
やめろと言いたいのに、言葉は喉につっかえて出てくれない。
「放課後。
楽しみにしてて~♪」
紀美子は後ろでに右手をひらひらさせて屋上から去っていった。
…………これは…………久遠に話すべきか?
紀美子を止めることができなかった自分に腹が立つ。
手鞠ちゃんはオレにとって、妹みたいな存在なんだ。
紀美子はいったい、放課後に何をやらかすつもりなのだろう。
手鞠ちゃんを傷つけることは許さねぇからな。