3つのナイトメアー
いうことを、恭子は後に知った。
父が亡くなってから、二十年もの歳月が流れた。
私が貴之に代わっていればと、ずっと嘆き悲しんでいた祖母も、ついに五年
前に他界した。娘の春名も二十歳の成人式を迎え、四十一歳になった恭子は、
女のピークを過ぎたとはいえ、まだまだ十分に魅力的だった。夫の公認会計士
事務所も、多忙ながら順調だった。いつまでも若々しく颯爽としていた父と違
い、年を追うごとにお腹が出て頭髪が薄くなったのが多少不満だったものの、
真面目な夫は家庭を第一に考えてくれて、恭子は満たされた幸せな時を過ごし
ていた。
そんなある日の夕方、突然に華代から電話がかかった。今上京しているから
すぐにでも会いたいという、早口調の切羽詰まった声に、恭子は驚き慌てなが
ら、一時間後に東京駅の